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いじっぱりなシークレットムーン
第5章 Crazy Moon
 
 途端に恥ずかしくなった。

 泡があたしを大胆な気分にさせていたことがよくわかった。


「ほら、逃げない。いいよ、続きして。まずは九年ぶりの俺を感じて、イケよ」


 シャワーが止まり、互いの全裸と恥部がよく見える。


「やっ、あたしを見ないで、やっ!!」


 彼はどれだけ多くの女を抱いてきたのだろう。

 こんなことをチサにもしたのだろうか。

 チサの身体はどうだったのだろう。

 あたしの腰よりもきゅっと締まっていて、胸と尻は瑞々しく膨らんでいて。触っただけでもうたまらない気分になるような……、そんな身体を課長は抱いてきたのだろうか。

 それでなくとも28歳の身体は若い身体には敵わない――。


 そう思ったら、恥ずかしくてたまらなくなったのだった。


「……どうした?」

 真っ赤な顔を両手で覆ったあたしに、課長の訝った声が聞こえた。


「恥ずかしいから、あたしの身体を見ないで!!」

 蚊が鳴くようなか細い声で答える。

「あたし、チサみたいに若くないから」

「……は? チサ?」

「チサは若いんでしょう?」

 口を尖らせたあたしに、彼は驚いた顔をしている。


「チサが好きだったんでしょう? 彼女と、ど、どうなったの……?」

 急に、それが聞きたくなった。



「ああ、今も俺の彼女」




「はいぃぃぃぃぃ!?」


 この男、彼女がいながらあたしに迫っていたのか!?
 
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