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いじっぱりなシークレットムーン
第5章 Crazy Moon
目と口を飽きっぱなしにして彼を見ていると、途端に彼は笑い出した。
「あはははは。嘘に決まってるだろう?」
叩こうとしたあたしは思わず手を止めた。
「なんだよ、それ……。あなたがチサに妬いたとか……、……反則、だって」
顔をそむけた彼の顔は真っ赤だったからだ。
「やべ。……なんか俺、このまま死んでもいいや」
「死んでどうするの!? もういいから、それ忘れて!!」
「忘れない」
「忘れて!!」
「やだ」
課長は笑ってあたしの手首を取る。
「……恥ずかしいってチサに嫉妬したから?」
「忘れて下さいっていってるでしょうが!! ……あたし、もう若くないしナイスバディーな美女じゃないんです。見ればわかるでしょう? すっぴんは酷いし、身体だってまったく自信がない。課長は女を選べる立場にいる。チサだって可愛いだろうし、チサ以外でも課長が相手にした数多くの女性とあたしはわけが違うから、だからこうやってじっくり触られて比較されるのやだなと」
「ぶはっ」
課長があたしの下で笑っている。
思い切り、失礼にも。
「なんですか!」
「いや……なんかさ、俺に嫌われたくないと必死に主張しているようで」
「はいぃぃぃ!?」
「あなたが言うとおり、もし俺が女を選べる立場にいるのなら、真っ先にあなたを選びたいと思う。あなたが恥ずかしがる要素なんてなにひとつない。今でもこんなに、あなたの身体は綺麗なのに」
ねぇ、課長。
なんでそんな愛おしそうな目であたしを見るんですか。
「俺、幼女趣味も熟女趣味ないから安心して。至ってノーマル」
チサがいないならと、おかしなことを考えてしまいそうです。
軽い女になってもいいから、身体だけの関係でもいいから、課長に抱いて貰いたいと思っちゃいそうです。
「もしも俺が、どんな女よりもあなたがいいと、あなたを選んだとはっきり告げたら、あなたはそれに応えてくれる? どの男より、俺を選んでくれる?」