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いじっぱりなシークレットムーン
第5章 Crazy Moon
「もしかして、結城さんとセックスしてるのは関係あるの?」
「ノーコメントです」
「九年前、俺を誘ったのもその事情?」
「ノーコメント」
ああ本当に頭いい男って嫌だ。
ノーコメントって言ってるのに、勝手に暴かれる。
「あなたがそうなったのは、結城さんのせいではないの?」
「違います。結城は優しくていい奴なんです。あたしに関わり合わねば今頃彼女とラブラブだったか、結婚していたと思います。結城はあたしのせいで、恋愛が出来ないんです」
課長はなにやら考え込んで言う。
「結城さんがお役御免になれば、あなたから解放されるってことだな?」
「いやま、そうですけれど……」
「俺が結城さんの役目をしたい」
「ちょ「……なにも言うな、それが嫌なら、あなたのその"事情"を解決しよう。そうすればあなたも"過去"から解放されて自由になる」」
課長はじっとあたしを見る。
「俺は色々あなたを勘違いをして、早く大人になろうと背伸びをしすぎていたかもしれない。あなたとふたりの時は俺も素に戻る。だからあなたも素に戻って、俺を頼って。他人行儀にならないで」
「え!?」
「結城さんだけが男じゃない。あなたに拒まれれば拒まれるほどに、結城さんのためにあなたが必死に貞操を守っている気になるから、凄く腹立たしい。今も俺とこんなことしてるくせに」
課長が腰を動かして、ようやくあたしは今の状況を思い出した。
「いや、あの、ちょ……」
「駄目だ。結城さんはあなたの中で果てるんだろう? だったら俺はまだ中に入らなくてもいいから。せめて後ろからではなく、こうして真向かいから、あなたとイキたい」
浮かしたあたしの腰に、課長は持ち上げた腰を動かしてくる。
「あなたのイク顔を見ながら、キスしあってイキたい。……同等の立場になりたい」
そして傾いたあたしの上半身を両手で抱きしめて密着すると、あたしの唇を割って舌を蠢かせた。
直の課長の感触にびりびりとした刺激を受けながら、奥深く舌を絡ませる課長に酔いしれれば、あたしは抵抗する気をなくしてしまった。
もしかするとあたしはこの先、このひとを好きになるかもしれない――そんな、直感にも似た予感を覚えながら。