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いじっぱりなシークレットムーン
第5章 Crazy Moon
なにが大丈夫かわからない。
しかも聞き取れなかった"する"と"やる"の部分に、本能的な恐怖を感じる。
そんな思考すら呑み込むようなキス。絡め合う舌。
お互いの腰がこれ以上なく淫らに動き、ぐちゅぐちゅと音をたてて粘膜を摩擦しあうこの感覚がたまらない。
課長の硬いところが突き刺さりそうになりながら、秘部の表面に滑り込んでくるこの感覚がたまらない。
「ああああっ、くっ、ん…ぅんんっ、ん……はっ、ぁぁっ」
「……気持ちいい? ヒナ」
涙で滲んだ向こう側で、昔と同じように濡れた目で彼は聞いた。
昔以上に扇情的なその顔は、噎せ返るほどの色気に満ちている。それだけでもう興奮する。……九年前以上に。
あたしは、九年後のこのひとに興奮しているんだ。
「気持ちいい、すごくいいっ」
挿れて欲しい。めちゃくちゃにして貰いたい――。
それを理性で押さえ込むと、焦れたように課長がキスをしてきた。
「可愛い」
「……っ」
「あなたは、言葉に弱いね」
「っ、!!!」
「あなたの中に挿れていたのなら、きっと俺、すぐイッてたと思う。あなたの中、凄く気持ちいいから」
「な、にを……」
「覚えておいて。俺が欲しいのは、あなたの身体じゃない。だから挿れないということを。あなたが心から俺が欲しいと思わない限り、挿れないから」
そんなに余裕がない顔をして。
綺麗な顔立ちを艶めかせて。
「あなたが欲しいけど、あなたを求めているのは、セックスしたいからじゃない。あなたに求めているのは、身体じゃない」
多分、彼はあたしの状態をわかっていて、あたしの理性を尊重してくれているのだと感じた。
昨夜のように、あたしの意志を無視して一方的にイカされるのではなく、あたしを見てくれているのだと思ったら、……待っているのだと思えば、さらに彼が欲しいと子宮の奥がきゅんと疼いた。