この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第5章 Crazy Moon
 

「別にあの課長とひと晩過ごして、こんな夕方近くに昨日のスーツで堂々ご帰宅されても、別に俺はなにも言える立場じゃありませんし? しかもあの課長と似たような匂いをつけてこられても、なにしてたんだと怒る資格もありませんし? 俺、理解ある同期で、鹿沼さんにとって何者にも代えがたい特別な存在みたいだし?」

「……あ、あの……」


 ちらちらとあたしを見ながら嫌味を言う結城は、突然に親指を突き立てて言った。

「だけどよ、鹿沼。部下として熱出して道端に倒れた上司を介抱をしたことは、えらい! 営業課長の俺が褒めて遣わす!」

「は、はあ……」

「あの課長、心臓の手術をしにアメリカにいたらしいぞ。お前知ってた?」

「いや、まるで全然。心臓って……」


 まるでそんな様子は見られなかった。単純な留学ではなかったらしい。宮坂専務ならきっと真相を知っているだろう。


「ショック? 俺には話して、お前には話さないの。すげぇ、お前ぶーたれてるけど」

「べ、別に……」

 結城は、いじっぱりと笑いながら続けた。 

 
「今は心臓はもう大丈夫らしいけど、疲労が祟ると熱出して倒れることが多いらしい。気づいたらいつも病院で点滴をしているほどらしいから。病院にいかずにすんだのは、お前のおかげだと」

「そんなこと言ってたの!?」

「ああ、それだけじゃない。お前と連絡つかないと俺を心配させた謝罪と、礼とを言うんだよ、すげぇ丁寧に」

「なんでお礼?」

 すると結城は面倒臭そうな顔をしながら、頭をガシガシ掻いてその件はぼかした。男同士の話らしい。


「……参ったよ、いっそ俺を挑発してくれれば俺、キレれたのに」

 結城はどんな課長の言葉を思い出しているのだろう。

 自嘲気に笑う結城の顔は疲れているようにも思える。
 
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ