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いじっぱりなシークレットムーン
第5章 Crazy Moon
そんな覚悟を決めているあたしの前で、結城は思い出したように爆弾を落とした。
「今月はブルームーンだからな」
「ブルームーン!? いつ!?」
ブルームーン――。
それは一ヶ月に二回来る希な満月のことを言う。
「二週間後の金曜日だ」
――二週間後、金曜日の夜からは離さない。離れたくないと言わせる。
「本気に二週間後の金曜日!?」
「ああ」
くらりとした。
――あなたが俺に抱かれたいと思うなら、たとえどんな理由があったとしても、もう彼には抱かれないで。
結城を説得出来たとしても、満月の姿をまた課長に晒すことになる。あの時はわけがわからないような中坊でも、今は聡明な24歳の上司。こんな淫らな発作を起こすことを知られたくない。……嫌われる。蔑まれる。
ああ、二週間なんて、なんで言ってしまったんだろう!
――結城さんを友達と思っているのなら、……俺を少しでも男として意識して抱かれたいと覚悟を決めたのなら。……この先、あなたが女になりたいと思うのは、俺の元だけにしろ。
……さあ、どうする?