この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第5章 Crazy Moon
~Eri side~
朝からスマホに割と頻繁にLINEは入ってはいたけれど、通知で結城からのものだとわかったから特に中を開かずにシカトしてゆっくり寝ていたら、今度は結城の電話で起こされた。
人の迷惑を顧みず、騒々しく傍迷惑な男は、最近陽菜からLINEをシカトされているらしい。今回は既読無視され電話すら出てくれなくなったようで、家に行っても出てこないからと、私がなにか聞いているのか、尋ねる……というよりはほぼ一方的な詰問状態。
可愛いから悪い男に拉致されているんじゃないかとか、惚気のようなようなことを言い出すから、土曜の朝は昼に起床したい私は全身鳥肌状態でブチギレし、「嫌われてるんじゃない?」のひと言。
結城は絶句したのか何も喋ることなく無言通話となり、私もいい加減うんざりして電話を切った。
だけどふと、陽菜が家から出てこないということが気になって目が冴えた。
まさか昨日の帰りから、家に帰ってないとか?
慌ててスマホを見て陽菜とのLINEを見たら、私がタクシーから心配して送ったLINEは既読になってはいるが、確かに結城のように返事はない。
私は既読表示でも、その後遅れてでも返事がくればそれでいいタイプだからなにも気にしていなかったけれど、本当になにかあったのだろうか。
陽菜に電話してみたら、電話中だった。
陽菜無事でよかったと思い結城に電話をすると、結城も電話中。
なんだ結局結城、陽菜と連絡ついたんじゃないかとほっとした私が、いつもよりかなり早い起床をして昼近く。
結城からLINEが来た。
"イタ"
最初、なんのことかぴんとこなかった。
痛なのか板なのか。せめて漢字にしろよ!
だけどまあ、あいつが私にLINE寄越すくらいだから、"居た"なのだろう。つまり陽菜と連絡をとれたことを言っているのだろう。
ひとの眠りを邪魔して、それだけかい!
それくらい私だってわかってるよ、話し中から何時間経ったのさ!