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いじっぱりなシークレットムーン
第5章 Crazy Moon
「へぇ、何時にどこに行くの?」
『わからない。結城の連絡待ち』
「初めて? 結城と出かけるの」
『初めてではないよ。大学時代もよく出かけたから』
「会社勤めてからは?」
『ん……、必要がない時は出かけてないなあ』
「必要ってなによ。結城、なんか必要なことあるの?」
すると陽菜は笑って誤魔化した。
なんだかわからないけれど、陽菜は結城と何度も出かけたりふたりきりになっているということか。
そんなチャンスがありながら、結城はなにをしてたんだろう。
あのヘタレ!!
明日、結城はめっちゃ気合い入れてくるだろうな。
……ふふ、ふふふふ……。
だったら。
気合い入れすぎでコケないように、ちょっと応援してやろうじゃないか。
現れたばかりの課長に奪い去られるのは、きっと結城も腹立たしいだろうから。
八年の付き合いよりも、恋は僅かで芽生えるもの。
恋愛には出会った期間は関係ないこと、私は思い知っているから。
結城――。
面倒な恋愛をしているのはあんただけじゃない。
それ、教えてあげるから。
陽菜との電話を切った後、結城からLINEが入った。
"女が好きそうな場所ってどこ?"
私は笑い転げた。
私に訊いてどうするよ、自分で決めろよ!! 告りたいんでしょうが!!
結城はモテるくせに、女と遊んでないのがバレバレじゃないか。