この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第5章 Crazy Moon
そう思いながらも、私が連れて行って貰いたい、一緒に遊んでみたいと思っていたレジャー施設を推薦してみる。
"温泉プールがあるよ! 女には嬉しいエステがある!"
"よし! それにする"
……結城は乗った。
よしよし。
"陽菜の水着姿、すっごい可愛いから"
夏に陽菜とだけ海に行って、結城がぶーたれていた……あの陽菜のビキニ姿を思い出しながら、そう付け加えると結城から、ホラーのようなスタンプと共にひと言。
"なんで鹿沼だとわかった!?"
"そんなんで営業課長だと威張るな!"
怒り心頭のクマのスタンプを送りつけてから、私も最後にひと言。
"ハプニング、期待してます。じゃあね"
LINEを終了させ、あたしはスマホの通話履歴からひとつの履歴のボタンを押す。
ねぇ――。
ふたりで行けないのなら、大勢ならいいんじゃない?
私は、休日の昼間も会いたいんです。
結城みたいに、他の男に奪われるかを心配して貰いたいんです。
死んだ奥様を忘れてとも、私と結婚してとも言わないから。
最近、距離を置こうとしているのわかっているんです。お願いだから年の差なんて悲しいせいにしないで。
あなたを想い続けて、私も八年なんです。
二人きりで会い辛いのならせめて、仲間内だけでも……。
ねぇ、私の同期とあなたは仲がいいんだから、遊んで下さい。
昔のように。
恋人と言えない関係を、話すつもりはないですから。
だからせめて、部下として構って下さい。
「もしもし、雅さん?」
ねぇ、社長――。