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いじっぱりなシークレットムーン
第5章 Crazy Moon
「いや、あの、その……」
「……今度は流せないよう、後でちゃんと言うから。なんとなくじゃなくて、理解しろよ?」
「り、理解……!?」
声がひっくり返ってしまった。
「俺はそのつもりで誘ったし、お前も俺と向き合うために誘いに乗ったんだろう?」
結城はいつもながら鋭すぎるのだ。
あたしがなにも言わなくても、結城はわかっている。
「今までお前が見ようとしてこなかった部分をちゃんと見ろ。ここからがスタートってことでよろしく」
わかっているから、変な方に話が進んじゃったじゃないか!
「あのね、よろしくされても「は~い、反論は却下。満月の約束を持ち出しても無駄だぞ。いつもみたいに俺、折れるつもりねぇし」
結城が好戦的に目を輝かす時は、必ず実行する。
それがわかれば、あたしはただ「うう」と喉の奥で唸るしか出来なくて。
誠意を持って向かい合えば道が開かれると思ってたあたしは、軽はずみなことをしたのかもしれないと頭のどこかでそう思ったが、それでもあたしは逃げるわけにはいかないと思う。
余裕ぶって見せる結城から、どこか切迫したような悲痛さを感じたから。
「ところで陽菜ちゃん。……お前の水着見たいんだけど。お前がなぜか完全防備しているそのパーカー、脱がしていい?」
片手であたしを抱きながら、結城は少し頭を下げて、あたしが手で押さえるジッパーをあたしの手ごと下ろそうとする。