この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第5章 Crazy Moon
  
   ・
   ・
   ・
  
   ・

 長身のイケメンふたりに挟まれた貧弱な女が、大きな自販機の影に隠れている。

 ここは狭い、狭すぎる。

 なんでこんなところに隠れることになったっけ。


 視界に居るのは、コスプレ警察官ではなく本物の警察官のようだ。


「……香月、なにかしたのか?」


 結城が小声で聞きながら、さりげなくあたしの手を繋いで彼の後方に持っていき、驚くあたしに悪戯っ子のような笑みを見せる。

 狭すぎて動く隙間がない。取り払えるほどの空間がなく。色々抓ったりひっかいたりしているのに、結城は笑って身体を震わせている。

 課長はそんなあたし達よりちょっと前に身を乗り出すようにして、警官の様子を伺っている。まるでスパイ映画でも見ているようだ。

「私、さっきまで都心に出ていたんです。そうしたら不健全で不埒な通報を頂いて」

 その目は警官の動きを真剣に追っているというのに、

「家に戻って車とってくるのも時間の無駄だし、タクシーなら渋滞に巻き込まれたら苛つくし」

 あたしの小指と彼の指が軽くぶつかると――、

「傍に駐車違反取り締まっている警官が、パトカーに乗っていたので……」
 
 手を引こうとしたあたしを逃さないというように、あたしの小指に彼の指が絡みつき、何本かの指できゅっと握られた。

 ――っ!!

 手の中で一番小さな指なのに、身体の中で一番敏感な部分のようにも思える、このぞくり感。焦らされた身体にやっと触って貰えたような、そんな引き攣ったような快感に喘ぎ声が出そうになる。

 課長の熱にくらくらする――。


 いかんいかん、なにを考えているんだ、あたし。

 なにをやっているのよ、こんなとこで。指が偶然絡んだのかもしれないし、指を離さなければ。課長だけではなく結城とも。

 そんなあたしの耳に届いたのは。


「私の娘が誘拐されたと騒いで、パトカーに乗せて貰いました」



「「はああああ!!?」」



 驚きすぎて、手を離すタイミングを失ってしまった。
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ