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いじっぱりなシークレットムーン
第5章 Crazy Moon
 

 結城と手を繋ぎ、こっちは小指同士を繋いだまま。

 僅かにでも離そうとしたあたしの決意を察したのか、させまいとするかのように両側からがっちりと守られる。

 だから逃げてるのわかれよ、離れてくれよ、ここは狭いし動くと肘が壁に擦れて痛いんだってば!!


「しっ、動かないで」


 警官ばかりを見ていた課長の目があたしに向いた。

 ぞくりとするその目は、憤りを抑圧しているもので。彼を感じた瞬間、今さらのように課長のあの匂いが広がって、心臓が早くなる。

 やっば、不意打ち!

 思わず俯けば、結城が手に指を絡め、ぎゅうぎゅうと握ってきて、痛い。

 わかったから、くらりとしてごめんよ、だから馬鹿力はやめて!

 それが通じたのか、力が抜けたあたしの手の甲を、いい子いい子というように指の腹で撫でられた。


「か、課長、お子さんいらっしゃるんですか?」


 思わず聞くと、課長は口元だけ笑いを作った。

 そしてひっそりと、小指を思い切り手の甲の方に曲げられて、あたしの身体が傾いた。

「いっ」

「どうしました?」

「い、いいえ。なんでもありません」

 
 眼鏡の奥の目が、なにやら愉快そうで。

 この、ドS!!


「勿論私には子供なんていませんが、誘拐犯からこれを貰ったと。だから一緒についてきて欲しいと」


 課長はズボンのポケットから取り出したスマホを、あたし達に見せた。……勿論反対の手で。

 スマホの画面は、ひとつのメールの内容を映し出していた。


『ヒナは俺のところだ。欲しければ下の住所に来い』


 そして下のアドレスをクリックすると、この施設の地図が出る。


「な、なんですかこれ。ヒナって誰? あたし? 俺って誰よ、結城?」

「違う、こんなの出してねぇし」


 結城は頭を横に振った。

 じゃあこれはなに?


「すべて私の意図です。言うなれば、社内で私を騙ったあのメールのような。これを警官に見せて、もしこの危機を無視するようなら警視総監に直に掛け合うと言いました」


 け、警視総監!?

 
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