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いじっぱりなシークレットムーン
第5章 Crazy Moon
 


「……まだ決まったわけじゃない。だけどシークレットムーンの名前が消えるのは、今の状況では確実だろう」

「「な!!」」


 あたしと結城は声を上げた。

 だけど課長は驚いている様子がない。


「俺だって月代さんの会社を潰したくねぇ。せっかく黒字で来ているんだし。だけど"敵"が本格的に大きく動き出して、シークレットムーンを食らいに来たら、シークレットムーンを切り捨てればいいという安直な忍月の重役達を、どこまで長く俺が止めていられるかにかかってくる。正直、1年はもたない」

「っ!! 敵って?」

「向島開発。忍月の敵さ。金曜にお前達のところで騒動あったろ。多分向島の手かかってると思うぞ」

「はい!?」

「明日から情勢がどうなるか正直わからねぇ。せっかく朱羽が新任早々、色々変えていったのに。無駄をなくして結果に繋げるために。放つのが遅かったのかもしれねぇ」


「じゃあ課長は、シークレットムーンたて直しに専務から派遣されたんですか?」


「そうとも言えるが違うとも言える。この件はいい。今ある現実は、向島がシークレットムーンの社員引き抜いたり妨害に動き出したなら、多分顧客をごっそり奪われるぞ。そうしたらシークレットムーンは数ヶ月で経営危機だ。赤字になったら忍月はその負債を月代さんに押しつけ、切り離そうとする」

「そんなに早く!! それは社長は知って?」

「ああ。だけど月代社長は社員に迷惑をかけたくないと黙って、朱羽に賭けた。化学変化があるようにと」

――鹿沼に決して落ち度はないが、化学変化を期待して。

 ああ、社長は課長を紹介する時に、確かにそう言っていた。


「結果を出せ。俺から言えるのはそれだけだ。ここに営業とWEBが揃い、朱羽はプログラムが本命だ。わかっていると思うが」


「「はい」」


 あたしと結城は直立不動で応えた。


 緩んでいた気持ちが引き締まった気がする。

 結城の顔も課長の顔も。


「恋愛してもいい。だけどいがみ合うくらいなら、今は仕事だけでもいいから協力しろ。多分今日ここに月代さんが来ていたのは、結城とカバ、それに衣里と連携をとりたかったんだろうと思う。社長はお前ら同期をとても買ってると思うぞ。そこに朱羽を加えろ。

俺からの命令はただひとつ。

化学変化を起こして、"月代さんの会社を守れ"だ!」


 
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