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いじっぱりなシークレットムーン
第6章 Wishing Moon
 


 わざわざホテルを使うところが、向こうがなにを望んでいるのか丸わかりじゃないか。


 もう一通きた。


『打ち合わせはそれのみ。それ以外は貴社との契約を取り消す』


 く~、予想はしていたけどさ!!

 打ち合わせって、ホテルでどこを打ち合うんだよ!!


『わかりました。では本日の打ち合わせ、よろしくお願いします』


 覚悟を決めて、キーボードを叩いた。


 必ず、契約を続行してやる。

 最悪ホテルの部屋に連れられても、それが条件だ。



「アポとれましたか?」

「うわっ!! ちょ、ちょっと不在のようで」


 見る。見る。あたしの机の上のモニターを。疑惑に満ちた目で、モニターを隠そうとしているあたしの身体をどかせようとしてくるから、足でパソコンのリセットボタンを押した。

 ピッと音が聞こえると緊張が和らぎ、汗が出てくる。

「なぜ再起動?」

 冷視線が痛い痛い!!

「あ、押しちゃったようですね、ほほほほ」

「……」

「ちょっとお手洗いに……」

「なにを隠してます?」

「か、隠してません。ではさようなら~」


 大人の駆け引きが始まる――。


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