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いじっぱりなシークレットムーン
第6章 Wishing Moon
「俺に声をかけたのは、俺の方が社長の義兄よりに決定権があるからと踏んだからだろうが。だから1年も放置していた俺のプライベードアドレスに連絡してきた。俺、利用されてるんだよな」
「………」
「だったら、俺の心を動かすだけのものをお前は用意してきたんだろう?」
「……継続を確約して頂けるのであれば」
「今の状況、どちらが優位かわかるか? お前はなにも言えない立場なんだが」
「それでも、お願いしたいです。貴社に辞められたら困るんです。副社長がストップして下されば、関連会社も継続して貰える。だから! 副社長になんとかして貰いたいんです」
「見返りは?」
「なにが欲しいですか?」
質問に質問で答えると、課長を思い出した。
そして大きな契約をとってきて喜んでいた結城を思い出した。
「まずは食え。話はそれからだ」
「食事をしたら、再考願いますか?」
「……ああ」
執拗に食事を勧める副社長に誘われ、その隣の膳に座る。
にやにや笑う副社長に、全身をなめ回すように見られている。
気持ち悪い。こんなのと寝るのなんて嫌でたまらない。
「ではいただきます」
「まずは一杯」
副社長が徳利をもって、おちょこに日本酒を入れてくる。
女に、食べる前から日本酒を勧めるかよ。
だけどあたしは日本酒に弱くはない。衣里と飲んでいるせいか、ひとよりは飲むのは強いと思う。
ふん、見損なうな!
「副社長も、どうぞ」
徳利を貰い、今度はあたしから副社長のおちょこに酒を注ぐ。
そして副社長に顎で促されて、一気にぐいと呷ったというのに、副社長は飲んでいない。依然にやにやしてあたしを見ているだけだ。
なにか嫌な予感がしたけれど、まず食べ始めないと話に入れない。
そう思い、お刺身に手を伸ばした時、ぐらりと視界が揺れた。
「効いてきたかな」
「なにを……?」
「最初は動けなくなり、その後はいやらしくなる薬」
頭が重いが、声は響く。
「お前、Mだろ」
全身から汗が出る。
「俺、S。だから俺に調教されろ。お前みたいな気の強い女を牝奴隷にしてやる」
調教ってなによ!! 牝奴隷なんて、エロ本の見過ぎよ!!
あたしの身体は簡単に畳に転がり、副社長があたしのブラウスのボタンを外していく。