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いじっぱりなシークレットムーン
第6章 Wishing Moon
 

 身体が重くて動かない。

「継続……っ」

 なんとか回る口で訴える。


「お前の身体がよかったらな。悪かったら駄目だ」

「そんな……っ」


 ボタンを外していた副社長の手がぴたりと止まった。

「ふうん? へー、ここにこうする、そんな奴がいるんだ」

 一体なにを言っているのかさっぱりわからない。

「……普通は他の男に食われている女なんてと、凄く萎えるだろうけど、俺は違う。ひとのものを俺好みに調教するのに血が滾るタイプだ」

 このまま力ずくで流される前に――。

「契約を……っ」

 そのためにあたしは来たんだ。

「まだ言うか」

「何度でも……」

 スカートの中に手を入れられ、パンストごと下着が足首から引き下ろされ、ごつごつとした指で、秘部を指でかき回される。

「ひっ」

 ただ痛いだけだ。気持ち悪くて吐きそう。


「まだ濡れてねぇけどいいか」


 ベルトが外れる音で竦み上がる。

「いいぞ、泣いて抵抗して。そうしたら契約が永遠に消えるだけだ」

 悲鳴を上げたい。泣き叫びたい。

 だけど――。


――八度目正直で、契約とってきたぜ!!

――悔しいけど、おめでと。ああ、また今月負けた!!

――凄い凄い、大手じゃん!! 今日は三人で飲み会しようね、結城のお祝いに飲むぞ~。

 
 結城がとった会社だ。

 あんなに三人で喜んだこの契約を、辞めさせたくない。


――俺、めちゃ走り回って仕事取ってきたんだぞ。社長がのらりくらりと会社経営するから、途中でムーン潰れそうになるし。


 ねぇ、社長。

――僕にもしものことがあったら、会社は睦月に継がせてくれ。ムーンを立ち上げたのは、睦月にやるためだ。あいつなら社員もついて行く。


 あなたが退場するのはまだ早いんです。


――それと、衣里を泣かせないで欲しい。

 衣里はあなたが社長だから頑張れる。結城のように。


「継続、してよ――っ!!」


 秘部にあてがわれた堅いものを感じて、寒気と共に涙が出てきた。


「身体張ってるんだ……からっ、確約、しろっ!!」


 動かない身体を必死に動かし、覆い被さる副社長のネクタイを片手で掴んで引いて叫ぶと、

「ぐぇぇ」

 変な声を上げた副社長が飛び上がり、異物が秘部から離れた。
 
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