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いじっぱりなシークレットムーン
第6章 Wishing Moon
 

「ん……んっ」

 反射的にすぐに温く感じる水をこくりこくりと嚥下する。もう喉は潤って一杯なのに、課長は新たな水を口に含んであたしに飲ませてくる。

 なんとか全部飲み終えた時、課長はあたしの頬を両手で挟むようにして舌を絡ませてきた。

 ぬるりとした舌があたしの舌の側面をなぞった時、子宮と秘部がずくっと呼応して、さらに熱と疼きが加わりたまらない気分になる。

 水分をたっぷりと含んだ舌が音をたてて激しく絡み合うと、どちらのものかわからない甘い声が、暗い部屋で漏れ合う。

 擦れ合う舌が気持ちよくてたまらない。

 あたしの両手はいつのまにか課長の首筋に巻き付いていて、急いたようによりキスを堪能する。

「ん……は、んぅ……」

 気持ちいい、気持ちいい。

 課長の口が離れると、喪失感に震えが来た。


 唇だけが離れた至近距離で、課長が見ている。

 琥珀色になった潤んだその目であたしをじっと。


「いつもの陽菜じゃない。だけど……それでもいい。あなたなら」


 そう吐き出されたため息のような言葉は、あたしの顔に吸い込まれる。

 レンズ越しの目が切なそうな細められ、頬を撫でられる。


「俺にあなたの身体、なだめさせて?」


 ぞくぞくしてくる。

 こんな近い距離で、そんなに熱の滾った目で。


「今は心がなくてもいい。……俺を信じて。いつものあなたが嫌がることはしないから」


 いつものあたし――?


「今はあなたを助けたいだけだ。だから……」


 課長の唇が耳に近づいた。


「俺に愛されて?」


 課長の舌があたしの耳の穴に差し込まれる。

 
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