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いじっぱりなシークレットムーン
第6章 Wishing Moon
課長の腕を掴みながら、いやいやと頭を振って課長にお願いしたが、課長は蕩けたような顔でちゅっとあたしの唇に啄むようなキスをすると――、指を二本に増やして激しく抜き差ししてきた。
「やああああ!」
狂いそうな快感の波。
叫べば、課長が口を塞いでくる。
泣けば、課長が目元にキスをしてくる。
身を捩れば、頭の下にある手があたしの頭を撫でる。
そんなひとりだけ服を着て、ひとり余裕で。
嬉しそうに愉快そうに、あたしが乱れる様を見て。
それって不公平だ。
ねぇ課長。
あたしが今課長にして貰いたいことはこの性欲をなだめることだけじゃないんです。
「ぎゅっとして……」
あなたの顔を見ながら、あなたに包まれたい。
あたしを惑わすその匂いで、果てる前も後もあたしの傍にいて欲しい。
「朱羽にぎゅっとされて、イキたい……」
なにかを訴えかけるような瞳をぎゅっと細めて、課長が身体を倒すようにして、あたしをぎゅっと強く抱きしめた。
課長のぬくもりと熱が伝わり、課長の指が繰り出す快感に余計にゾクゾクしてくる。
やるせなくなる課長の匂いを嗅ぎながら、あたしは自分から課長の唇を求めた。
「ん……、んぅ……」
ビクビクしながら、課長のキスに酔いしれる。ぎゅっとされながら何度も何度もキスをせがんだ。
ああ、あたしこのままイキたい。
課長と――。
そんな思いで縋って見ると、課長が苦笑した。
「最後まで抱きたくなるから、そんな顔しないで。……ここであなたの誘惑に負けて抱いたら、正気に戻ったあなたに嫌われる」
「嫌われ……ない」
「嫌われるよ。やっと二週間後の約束を貰えたんだ。その前に手を出したら、あなたに嫌われる。俺……あなたに嫌われたら生きていけない」
熱で掠れたような弱々しい声があたしの耳に届いた瞬間、課長の指があたしのナカでくいと動き、あたしは仰け反るようにしてイッてしまった。
途中課長がキスをしてくれて、課長の匂いに包まれた果ては、凄く幸せなもので。外部的な起因の欲情が満たされた気がした。
このひとと離れたくない……そう思った。