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いじっぱりなシークレットムーン
第6章 Wishing Moon
そして何度も口づけをされた。
あたしのと課長の淫らな粘液を含んだ口の中で、課長とあたしの舌がいやらしく絡み合う。
貪るように、鼓動を合せるかのように。
課長の首に両手を回し、顔の角度を変えて、何度も何度も唇を合せて舌を絡ませ、もどかしくて課長の下半身に足を擦りつけた。
「駄目」
ふっと笑いながら課長があたしを諭す。
「今日は金曜日。だから……一週間後、あなたを貰うから」
顔中にキスの雨を降らせて。
「ようやく、7日経ったんだ。だから貰うよ、なにがあっても。だからそれまでは……今は、我慢する」
一週間後は、ブルームーン。
二回目の満月――。
「一週間後、俺の気持ちを言う。だから……結城さんを選ばないで。結城さんの元に行かないで」
あたしを見下ろす課長の顔が苦しげに歪められた。
「一週間後の土曜日の朝は、俺の横に居て。俺が今言いたくてたまらない気持ちを、あなたに言うから」
あたしは課長の気持ちを知りたいと思う。
知るのが今は怖い。今はなにも気づかずに眠っていたい……そんなあたしを許して貰えるのなら。
二週間……いや一週間後、目覚める時は課長の傍でなら……そう思えてきたのに、結城の顔がちらついてくる。
いつも目覚めたら、横には結城が居た。
――好きだ。
その結城を置いてあたしは帰っていたんだ――。
「今はなにも考えないで。薬のせいだから……」
――満月のこと、香月に言えるのか?
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「陽菜、起きてる? ああ、寝てて。子守歌代わりに聞いてくれたらいい。
……再会してすぐ、こんなことをしてごめん。本当は結城さんのようにあなたの近くで、ゆっくりと心を開いてくれたのを待ちたかったけど、俺には時間がなくて。
あなたに盛ってばかりいるけど、女なら誰だっていいってわけじゃない。あなただから、触れたくて……自制出来なくなる。
来週の金曜日……俺の誕生日なんだ。あなたとの年の差が少し埋まったその日に、俺のすべてを賭けて……あなたに告白したい。
どんなにあなたに恋い焦がれているのか。
九年前、言えなかった代わりに――。
結城さんじゃなく、俺を……見て。俺を愛して。
子供だと背中を見せないで。
……陽菜、
苦しいくらいに愛してる――」