この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon
 

 
「でれでれか……」

 公私混同できない、このままでは駄目だ。

 とにかく、社内ででれでれと数人から指摘される事態はこの先回避せねばならない。今会社本当にやばいのに、あたしってばなにをしてるのよ!

「営業スマイル営業スマイル……」

 いつもの会社モードを取り戻したい。

「やば……、溶けてきちゃってる」

 ワイン色のキューブ方のケーキは、スプーンを入れるとヨーグルトと様々なベリーが細かいクルミ生地と混ざって出てくる。

 いつもは甘酸っぱいその味が、なんだか味気なく感じた。

「課長に、満月のこと言わないと駄目だ。」

 ……ブルームーンを課長と過ごそうと思ったら。そこから始めようと思えば。


 だけど、拒まれ課長を喪ってしまったら、あたしは立ち直れるだろうか。

 遠い昔の高校時代のように、環境を変えて逃げ出すことは出来ないのだ。あたしはシークレットムーンと最後まで共に居たいから――。
 


 ***


 昼食後、とにかく全神経を仕事モードに直す。

 でれでれしないためには、課長の近くに居ない!

 そう心に決めたが、もとより課長は忙しそうで席に戻ることなく、サーバー室で杏奈と籠もりきりだ。

 でれでれを指摘した結城と衣里は営業に出ている。

「まだ帰ってこない」

 課長がサーバー室に行ったきりなのが、無性に気になる。

 杏奈とプログラムのことを話しているだろうことはわかるのに、そこにあたしが混ざれないのがあたしの気分を害する。

 プロジェクトの内容はわかっているのに、その細やかなことを打ち合わせする課長と杏奈の会話を聞いていたら、機械語ばかりを話していてあたしには宇宙人が喋っているようにしか思えなかった。
 
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ