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いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon
無論セキュリティー面からすれば、スマホやタブレットに外部ウイルスにかかる危険は高いが、課長の作ったプログラムを改良し、そのサーバを使う媒体は事前にウイルスチェックが入る。
使用者によって、たとえば参照だけか、編集も出来るのか、それを外部出力まで出来るかなど、権限レベルも細かく設定できる……という優れものである。
どんな媒体でも作動出来るというマルチプラットフォームは、制作側から言えば理想なのであるが、如何せん開発は難しい。すべての媒体は種類がありすぎるのだ。
PCのOSでもWindowsだけではなくMac、サーバー用PCのOSで言えばLinuxやWindows Serverなどにわかれているように、スマホでもAndroidとiOSというように分かれており、OSのすべてがすべてが、ひとつのプログラムで同じように作動はしない。
今までのサイト作りにしても、杏奈のようなプログラマーではなく、WEB部の方で、WEBを見れる媒体のものをシステム開発課のプログラムなり、デザイン課のデザインなりでカバーしてきたのは、それがWEBにおいて最低限しないといけない作業だったからだ。PCから見れるのに、スマホで見れないなんてサイトを作ってしまったら、お金はとれない。
WEBですら人数を割り当て作っているものを、さらに顧客がネットに転送したものでも簡単に他と共有できるようにと開発しているもので、打開したい――。
家でも会社でもプログラムを作っているらしい課長と杏奈と(ふたりの会話はまるで機械語でちんぷんかんぷん)、そしてあたし達WEB部の確認と、木島くんくん中心のレイアウト調整、また結城が課長と協力してサンプルと資料を作ってきたために、営業ががんがんと新規を回り、WEBでは協力して既存の会社に郵送したり電話したりメールをしたり。
既存の大手会社をあたしが回るのは、課長と結城にこっぴどく怒られて、あたしは社内に残された。課長と結城で回ることにしたらしい。
あたしの今の仕事は、郵送用のDM作りだ。