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いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon
 

『はあああ!? なにその理屈! 世界はあなた中心で回ってないわ! 医者の俺様なんて、最悪!! ……こんなところで医者が、エロ本なんて買わないでよ!! いらないわよ、プレゼントされても困る……学習ってなによ失礼ね!!』

「………」

『童顔貧乳で悪かったわね! ひとが気にしていることを……どうして顔だけが取り柄の男って、こんなに残念なのかしら! ええ、しみじみ感じるわ! あなたも女にだらしないんでしょ! いかにも女をとって食いそうな肉食獣みたいな感じだものね、私に近寄ったら投げ飛ばすからね! はあああ!? 肉弾戦!? いいわよ、タイマン受けて立とうじゃないの! 外出なっ!!』

 ぶちっ。

「おい、沙紀……。大丈夫かよ……」

 俺は通話の切れたスマホを眺めて、ため息をついた。

 だけどまあ、医者が相手なら強いのはいないだろう。ヤクザとか族あがりなんて、いるわけないだろうし。

 可哀想にな、相手の医者。

 俺なんて、両思いになるまでに何度飛ばされたことか。

「まあ病院だし、相手医者だし、思い切り沙紀が投げ飛ばしたとしても、命には別状ないだろう」

 俺はスマホで朱羽を呼び出した。

「もしもし、大丈夫か?」

『はい、なんとか落ち着いてます』

「月代さんに貼り付いていたふたり組は、ちゃんと身体を横にしてるか?」

『すぐ起きてくるので、今鹿沼さんが結城さんをつれて、真下さんのいるゲストルームに閉じこもってます。説教しているみたいで、俺が社長のところについてます。沙紀さんは……』

「ああ、コンビニだろ。さっき話した。……はは。強いカバが居てよかったな。……どうだ、羨ましいだろう。苦楽を共にした同期っての。お前はいつもひとりだものな」

『……はい。正直なところ、羨ましい超えて妬けます』

「はは。もっと心を広く持てよ」

『……』

「朱羽、ため込むな。なんだ、なにがひっかかる?」

 YESもNOも言えない時、朱羽は大抵自分の中でため込む時だ。

 それを出してやるのが、俺の務めだと思っている。

 何年も一緒に暮らして、カバめがけてお前が立ち直っていく様を見てきたんだ、誤魔化せると思うなよ。
 
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