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いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon
 

 ***


 結城と衣里と課長、そして沙紀さんを交えて金曜の夜は病室に泊まった。本来なら患者と泊まれないところを、OKの宿泊設備まであるVIPルームを取ってくれた宮坂専務サマサマだ。

 社長が倒れて余命告知されてから、それを聞いてショックのあまりげっそりとして亡霊のようになって朽ちてしまった結城と衣里が、それでも目だけやたらギラギラさせた状態で不眠不休を貫こうとしたから、あたしはゲストルームで説教する羽目になった。

 本当は空笑いでも笑っていたかったけれど、社長より確実に早く逝きそうなふたりを目の前に、どうしても平静ではいられなくなったのだ。

 社長が事前にあたしにふたりを託したのは、こうなることを予測していたからなのかもしれない。だったらあたしは、社長から託された想いを心に、どんなにふたりの気持ちがわかってひきずられようとも、ふたりを叱咤して檄を飛ばさないといけないのだ。

 それが、社長との約束だ。それが、あたしの役目だ。


「そんな顔してたら、社長が帰ってきたくたって帰ってこれないじゃないか! 笑え、笑え!! 元気に社長を迎えようよ!!」

 泣きながら、あたしはふたりの頬を叩いた。

「余命宣告がなんだ! 人間はいずれ死ぬんだよ! 社長が特別なんじゃないよ!! 普通の、当たり前のことなら、残り少なくても社長が生ける日々を笑って平穏に過ごさせて上げようよ!!」

 28歳にして人前で泣いて叫んで、友達を叩くなんて。


「社長が帰る前に、倒れちゃ駄目だよ!! 食べて飲んで寝て!! ありったけの体力が続く限り、社長を呼び続ける! 諦めるな!!」
 
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