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いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon

皆で、専務と沙紀さんがコンビニで買ってきた朝食を、社長の横で食べた。社長は食欲がないらしく、水に溶かすタイプの栄養たっぷりの粉薬を看護師さんに飲まされ、美味しくないと顔を顰めさせた。
そんな時ドアが開いて、木島くんや杏奈だけではなく、社の皆が駆けつけてきてくれた。
「課長から連絡あったから、皆に連絡して待ち合わせてきたっす」
課長、いつの間に連絡を。
木島くん、ムキムキの身体がよくわかるくらいのピチピチの、ピンク色の生地に赤い果物みたいのが散っている、到底センスがいいとは思えない柄物のシャツを着ていて、ちょっと動いたらぷちっとボタンが弾け飛びそうだ。
ツインテールの杏奈は……いつものパステルカラーのふりふりではなくて、ゴシック調の黒いふりふりだ。杏奈なりに気遣ったのか。いつも通りピンクのふりふりなら、木島くんと杏奈はカップルのようになったのに。
他も誰一人漏れることなく、土曜日の朝から詰めかけてくれて、感動して泣けちゃうじゃないか。
社長も嬉しそうだ。
午前九時――。
そんな和気藹々としていたた雰囲気を、ノックの音と現れた人物によって、切り裂かれる。
「あれ~、皆さんお揃いなんですね。おはようございま~す」
……今まで通りにこやかに笑う……、千絵ちゃんだった。

