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いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon
 


 社員が次々に千絵ちゃんに対して怒る。特に木島くんから漏れる怒りの"しゅ~しゅ~"がうるさい。このまま蒸気になるんだろうか。

 その中で、課長と専務と沙紀さん、そして杏奈が顔を見合わせている。

「ちょっと課長、なに千絵ちゃんに返事してるんですか! 向島に行かないで下さい」

 あたしは思わず課長に言った。

 課長が居なくなったら、すべてが終わってしまう。

 泣きそうだ。

「行くとは言ってません。これから先も、断りします」

「だったらなんで、"心しておく"って!」

「その通りです。意味がわかったので」

「意味?」


 課長は専務に向いた。


「渉さん、100あればOK?」

「ああ。それだけあれば、副社長派への武器にはなる」

「でも渉、二週間で100なんて」

「……なんとかなると思うぞ、沙紀。……これは、俺が声をかけた会社だ。話を聞いてもいいというところが、都外を含めて64社ある」


 専務がどこかからか出してきたのは、書類。

 それを結城に渡した。


「契約を取るのは営業の仕事だろ。二週間死ぬ気でやれ」


 紙には社名や住所や連絡先だけではなく、業種、社員数、WEBのありなし、社員の平均年齢の他、担当者の名前と直通番号が記されてある。ここまでのものは、営業が喉から手が出るほど欲しい名簿だろう。

 忍月コーポレーションにおける顧客を、しかも先に連絡をつけた形でぽんと手渡した専務に、あたしら同期はぽかんとした顔を返した。

「専務。新規はありがたいんですが、突然なんで……しかも期間限定で」

「睡眠不足で回転数が足りねぇな、カバ。今、あの新米が具体的に言ってたじゃないか。腐っても元社員という奴か」

「へ? 千絵ちゃんボロクソにしか……」
 
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