この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon
 

「あ、あの社長。結城は本当にN県出身なんですか?」

「ああ。新幹線で俺、行ったり来たりしてたからな。どうした?」

「い、いえ……。社長が、あたしがN県出身だとご存知だったのは、結城から聞いて?」

 あたしは結城に出身地のことを話した覚えはないのだ。

「………。お前の履歴書だよ」

「そ、そうですか。そうですよね、はは」

「鹿沼」

「はい?」

「俺が言うそいつを落とせば、日本各地の子会社がそれに追従する。もしかするとその取引先にも影響力があるかもしれない」

「それほどの……。あたしの記憶では、そんな会社は思い当たらないんですが……」

「……N県は昔に比べて、かなり拓けたところだぞ。今じゃビルが建ち並ぶし、近代的な建物だらけだ。東京に似てきて」

「そうなんですか!?」

「お前いつから地元に帰ってないよ?」

「高校を出てからです」

「親御さんは?」

「いえ、全然……」

「親に連絡入れないで、親はなにも言わないのか!?」

 社長は心底驚いたというように目を丸くする。

「連絡が来ませんから、向こうもなんともないんでしょう」

「凄い放任主義だなあ、おい。俺だったら睦月に許さないぞ?」

「ふふ、一緒の会社に居るくらいなんだから、うちよりも仲良しですよね」

 ひとしきりふたりで笑った後、社長が言った。

「じゃあ、火曜日あたり一緒に行ってこい。月曜日に電話入れておく。電話くらいなら、俺も出来るから」

「はい。ええと、一緒にというと……」

「お前がいちゃいちゃしてた、上司だ。先方は、うちの実力がどの程度か試すはずだ。そのとき香月が居た方がいい。新幹線で行ってこい。またあんないちゃいちゃすんなよ、社命がかかっているんだぞ」

「了解しました。が、社長。あたしいちゃいちゃなんてしてませんから!」

「嘘つけ。お前らがあまりにもいちゃいちゃしてたから、どうしようもなくて俺目が覚めたんじゃないかよ」

「だから違いますって。あたしは課長の勘違いを正していただけです! 課長に聞いて下さいよ、いちゃいちゃなんて……」

 社長がにやにやしている。
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ