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いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon
 

 ***


 日曜日――。

 あたしは木場のシークレットムーンに居る。


 社長のことはあたしもまだ心配で、衣里と結城の代替要員としてでもいいから病室に居ようと思ったのだけれど、衣里に言われたのだ。

――……陽菜。私、1日でいいから、社長のお世話をしたいの。

 あたしの服の裾をぎゅっと掴んで、およそいつもの衣里らしからぬ頼りなげな声で、衣里はあたしにそういった。

 社長の容態は安定はしてきたが、もともと身体はががんに冒されている。いつどうなるかわからない……それを衣里は覚悟して、社長の元気なうちにふたりの時間を作りたいと言ってきたのだ。

 あたしはその気持ちが痛いほどよくわかった。

 それでも衣里の身体まで壊れるのが心配だったし、衣里も会社の戦力だから、日曜日丸一日だけを衣里に任せることにした。それからは分担して衣里だけがつきっきりの時間は極力避けたい。

 あたしは結城と課長を呼んで、日曜だけ衣里に任せたいと言ったら、ふたりはなにかを察したのか、了承した。

 衣里に、もしも社長の容態が変化したりしたら、必ず電話することを約束して、日曜日は一時解散して、各々自宅でこれからの戦闘に備えて、僅かでも身体を癒やそうということになった。

 けれど、会社が気になり、あたしはお風呂に入った後、木場に向かったのだ。

 日曜だから白いワンピースに黒いカーディガンを羽織り、髪を伸ばしたまま、誰もいないだろうからと課長がくれた靴をはいた。

 課長が傍に居るようでくすぐったい心地になる。

「あれ、電気ついてる」

 既に開かれているドアを開けると、こちらに来る人物がある。
 
「あれ、主任も来たっすか?」

 木島くんだ。

 
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