この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon


「お泊まりですか? それとも日帰り温泉をご利用ですか?」

 若草色の着物に紺色の羽織という、やや地味な服装にしては、にこにこと笑う女従業員は、目鼻立ちが整った顔をして品がにじみ出ている。右の口元にホクロがあり、なんとも艶めかしい。

 年は若くはないが、五十代には至っていない気がする。

「本日午後1時で、矢島司社長と面会のお約束をしております、シークレットムーンの鹿沼と、上司の香月です。うちの月代からご連絡してあると思うんですが」

 ぺこりと頭を下げると、その女性は驚いた顔をして周りを見た。つられてあたしも見るが、誰もいない。

「すみません。ちょっとお待ち頂いてよろしいですか? 社長に内線を入れますので」

 頷くとその従業員は、草履をパタパタと音をたてて、フロントと思われるところに走っていった。

「ここのホテルは閑散としすぎてますけど、従業員がいないんでしょうかね。プレオープン?」

 課長が神妙な顔をして言う。

「開業は数年前のはずです。ネットでは高級ホテルとして紹介されてましたし。まあ全国のやじまホテル自体、高級らしいですが。あ、浴衣姿のお客様は見えますね、奥に」

 通路は左右に広がっている。その右の奥で利用客らしき男性が横切るのが見えた。

「それにしては、従業人が足りない。しかも内線を使うのに、どうしてフロントまで行かないと駄目なんですかね」

 課長はそこがひっかかるようだが、ホテル事情に口出しするようなものでもないと思うけれど。
 
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ