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いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon
 

「あなたは隣の課長さんと会社を助けるために、迷うことなく自分を捧げようとした。その献身さからしても、あなたは合格。信用できる。本当ならうちが雇いたいくらい」

「……あ、ありがとうございます」

 笑顔で言われ、あたしは恐縮して項垂れてしまった。

 こうして、千絵ちゃんにスポ根と言われた愛社精神も、認めてくれるひともいるのだ。

「そして女性が男の道具ではないということを認め、女性の実力を評価してくれる男性が好き。もしも彼女が困難に陥って、それが会社のためだからと言い訳してプライドを守るために課長さんが黙ったままなら、私は席を立つつもりだった。だからあなたも合格よ、課長さん。彼女と会社を助けるために、自らプライドを捨てようとしたあなたなら、女の私の話もちゃんと聞いてくれる気がする」

「ありがとうございます」

「忍月コーポレーションって、実は好きじゃないの。こっちが事業拡大した途端に、上役つれてくる。それまでは無視していたくせにね。だけど月代さんは、女性を認めてくれて真剣に取り合ってくれたから、話を聞いて契約をした。その後も何度も顔出したり、ホテルを利用したりしてくれてね。彼がいなくなったから、忍月さんはやめたの。無意味だったから」

 社長は、取引先にも人望があったのか。

「月代さんは、独立しても声をかけてこなかった。あの方なりの誠実さだと思っていたけど、今回連絡を頂いたということは、かなり大変だということは私も承知してる。だけど私も、それだけでは話を聞けない。彼が来ないのなら、あなた達の人柄を知って、あなた達の真剣さを知らなきゃ。人間的に信用してお金をかけられるに値する人達なのか。事業の話はその後なのよ、私にとって」

 女社長はにっこりと笑った。

「さすが月代さんね。彼が認めてこちらに向かわせてくれたあなた方が大好きになったわ。私、うるさい女だけど、真剣にお話をしましょう」

 泣きそうになる。

 だけど泣いちゃ駄目だ。女社長に嫌われてしまう。


「「ありがとうございます」」


 あたしと課長は立ち上がり、同時に頭を下げた。


「では改めまして。名刺を交換して下さる?」

 女社長の手にある名刺には、『代表取締役社長』という肩書きがきちんと印字されていた。

 第一関門突破――。

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