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いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon

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机の上に広がるのは、あたしが作った資料。
WEBは勿論、ネットワーク構築、プログラム開発も出来ること、そしてホテル経営をシミュレーションした際に、どんなものが便利だと思われるのか、それをまとめてきた。
そこにはあの田沼経理部長も同席し、女社長と共に、しばしその資料を読み込んでくれた。
「うーん、でも別に私達はパソコンをバリバリ使ってなにかするわけじゃないから、ご提案して下さっているものがどんなに素晴らしいことなのか、よくわからないというのが正直のところね。WEBから空き情報見ながら宿泊予約がとれるのも、確かに人員は必要としないのは楽だけれど、別に真新しいものでもないし」
しっかり読んでくれた分、ストレートな返事が身に染みる。
「ネットワークといっても、パソコンはここと沼田とフロントにあるだけだし、どんなファイルでも見れるっていうのは、うちはあまり必要としないわね。だけど、配線工事とかなくただネットに繋げば、こちらが管理できる貴社のオンライン予約システムに繋がるというのなら、全国にある系列のパソコンに用いるのは便利ね。それにアクセスとか実際の予約とか、様々な面から解析して貰えるのは嬉しいわね。沼田はどう思う?」
「使う人数によって月額が決まる、月払い制というのが魅力です。使用人数も、300人単位でかなり範囲を取って下さっている。パソコンを使うのがひとホテルに僅かであろうとも、全国規模になればかなりの数になります。今までのはライセンスと言うんですか? それでパソコンの台数で高いものを買っていたので、ホテルが増える度に、お金がかかる。そして一番のネックは、こちらの要望を叶えた形でプログラムを修正して貰う場合、その修正プログラムとやらを全国それぞれでして貰わないといけないこと。修正代もかかるのに、こちらの手間がかかっていました」
沼田さんは電卓を弾き始め、手元のノートに数字を書き始めた。
「ご覧下さい。仮に100台パソコンがあるとして、100台分のオンライン予約システムのソフトを買ったとした金額です。これに必ず年内に三回は修正プログラムが入ります。修正費用が合計これくらいだとしたら、この金額になります。しかもまだまだ改善の余地がある。不具合も起きて動かなくなったり」
修正費用だけでかなりの数字を沼田さんは書きだした。

