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いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon
 
「そう考えたら、あなた方が提案下さったもののランニングコストは安い。しかもこのサンプル……経理でも予約システムでも、欲しい機能ばかりついている」

 課長が出したタブレットを見せて、課長は独自にプログラムを作ってきたみたいで、それに沼田さんが食いついた。

「ですがね、社長。今のシステムが全く使えないわけではない。別に今今変えなければいけない理由もない。せっかく今のシステムで社員が慣れてきたのもあるので、ソフトを買った元がとれないまま急いで変えるのはどうかとも思うんです」

 雲行きが怪しくなり、あたしは焦って言った。


「似た画面に致します。それに追加で新しい機能を搭乗させるように」

「ねぇ、鹿沼さん」

 女社長が腕組みをしながら言った。


「その提案については、考えさせて貰えないかしら。ホテルは全国で356あるの。そのシステムを安いからと一斉に取替えて、業務に支障を来したくないわ。うん、その提案だけなら、結論は出せない」

 決定打に欠けると、女社長は言った。


「そこをなんとか、再考頂けないでしょうか」

 あたしは頭を下げる。

 今、少しでも顧客を増やしたい。ここが顧客になるかならないかで、宮坂専務も忍月のお偉いさん達に大きく言えるのだ。

「そうは言ってもね……。今ホテルを建てたばかりだから、システムを優先するよりもっと他のところを優先したいわ。他になにか提案は?」

 あたしは言葉に詰まった。

 一番のウリを却下されたのだ。これ以上の代替案は用意していない。

「提案がないのなら、残念だけど今日のところは……」

「お待ち下さい」


 課長が資料を片付けながら、待ったをかけた。

「確かにシステムより優先しないといけない、大切なことがこのホテルにはあるようです。もしかすると、全国そうなのかもしれない」

「課長?」

「広さの割には従業員に負担がかかっている。それが雇っても辞める結果になっているのでは?」
 
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