この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon
 

 女社長は愉快そうな顔を向けてきた。


「ええ、その通り。それが?」

「内観を大事にするあまり、従業員に指示する内線も多くおけない。広い館内で従業員は、走り回って部屋以外にいる顧客を見る余裕がない。社長がフロントに立っていることに、もしかすると、気づいてすらないのかもしれない」

「それで?」

「内線を、置きましょう」

「言ったでしょう、景観が悪いの。高級ホテルを銘打っている以上、従業員が電話をとって話しているなんて、体裁も悪いわ」

「話さずともどこがヘルプを求めているのか、従業員だけがわかる形ならいいんですよね? 内線の形を電話にしなければ」

「出来るの? お宅は電話屋さんじゃないのに」

 すると課長は微笑んで言った。

「私達が提案するのは、相手が本当に困っていることの改善を提案することです。システム提案も、そこから発案していたものですが、急ぐ案件でもないのなら、せっかくお会いしたご縁です。そちらの方をなんとかしましょう」

「か、課長!!」


 内観を損ねないで、従業員が電話を取らずに仕事を把握できるもの。

 そんなものがあるはずがない。

 建物の広さの割に、従業員が少なすぎるのだ。


――それにしては、従業人が足りない。しかも内線を使うのに、どうしてフロントまで行かないと駄目なんですかね。

――案内役がいなくなったら、内線で?


 最初から、課長は気にしていたのだ。内線を。

 そしてあたしは気づく。資料をしまった課長が、タブレットだけ机の上に残したことを。

 景観をよくできる内線――つまりは。


「このような、液晶パネルを置きませんか? そこに普段は館内の案内や周辺施設の案内を流しておく。しかし従業員が触ると、たとえば館内マップみたいのが出て、どこに来て欲しいか赤くなったり、個別のメッセージが出たりする。しかも従業員以外には、それの画面には行き着かない」

 ああ、その認証方法は――。

「指紋認証ですか」

 あたしの言葉に、課長は頷く。
 
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ