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いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon
 

「そうですよ、社長。社長の会社を守りたい一心なんです。そこで寝そべってないで、現役復帰に頑張って下さい。やじまホテルで湯治でもして!」

『はは……。落ち着いたら、社員旅行やじまホテルにしようか。だけどまあ、今日はゆっくりして来い。せめてもの俺からの感謝だ。べっぴんカワウソになって戻ってこい』

「べっぴんカワウソ……なんかちっとも可愛くないですが、新幹線動くまでは矢島社長のホテルでお世話になってきます。待っていて下さいね」

 とりあえず、社内でやるべきことは遠隔で抑えた。

 あとは、ここのホテルでお泊まり、だ。

 あたしは、平然とした面持ちで、持参していたノート型パソコンを大広間の長い机の上に置いて、キーボードをカタカタしている課長を見つめた。

 お泊まりを、意識しているのはあたしだけだろう。

 考えてみれば、あたしと課長の意識が正常な時のお泊まりは初めての気がする。

 だけどまあ、部屋は別々だし。

「ごめんなさい、お待たせしました」

 矢島社長がやってくる。

「社長自らですか?」

「ええ、接待だと思ってね。あなた方は、宿泊棟に案内するわ。勿論、お代は考えないで。お仕事で還元して頂ければそれでいいわ」

 なにか社長は嬉しそうに、あたし達を和室の棟の奥の部屋に案内した。

「はい、ここは角部屋だから、大きな音をたてても大丈夫。勿論大きな声を出しても大丈夫よ、うふふふ」

 その意味ありげな笑いはなんなのだろうか。

「それと香月さん……」

 矢島社長が課長になにか耳打ちすると、課長の顔が赤くなり、顔を片手で押さえた。

 なに、どんなマジック!?

「ふふ、さあ中にお入り下さい。こちらは特別室になります」

 あたしにはなんの説明もないまま、社長に案内されたのは、20畳が二間ある大広間。欄干や床の間の雰囲気や掛け軸などがかなり高級そうな、和室だった。金箔が散らされたような襖がたくさんあり、そこを開けると別に部屋があるのか押し入れがあるのか、外観からではよくわからない。

 奥には大きな窓と、そこから山間の景色を眺望出来るらしい、籐で出来た二客の椅子と丸テーブルがある。

 生憎のお天気が恨めしい上に、ピカピカ光る雷光がおどろおどろしい。そうあたしが苦笑すると、社長はカーテンをしめてくれた。 
 
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