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いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon

課長はその椅子にあたしを座らせ、あたしになにか飲みたいか聞いてくる。そういえばあたしお金も忘れてきたんだ。
部屋に戻れば部屋食かなにかで飲み物を飲もうと思い断ったら、課長は水を買ったようだ。
課長はなにも言わずに、ペットボトルの蓋を開けて、ごくごくと水を飲んでいく。男らしい喉仏が上下に動く度、なんだかいやらしい気分になってしまうあたしは反対側を向いた。
「課長、髪の毛乾かしてこなかったんですか?」
「急いでいたもので」
「急ぐ? なんでですか?」
「……あなたより先に出ないと、あなたがナンパされるでしょうが!」
あたしは驚いて、怒り口調の課長の方を向いた。
「またまた~。煽てたってなにも出て……」
「へぇ、だったら私が腕を捻った男はなんだったんでしょうね」
目が合ったから慌てて、顔をそらす。
「……っ、な、なんだったんでしょうね?」
「こっち見る! なんでこっちを見ないんだ」
「……いや、その……すっぴんだし。お化粧を先に……」
「なんで?」
「いや、だからすっぴん……」
あたしは指で髪を鷲づかみにして、顔を隠す。
「すっぴんだからなんなんですか?」
「恥ずかしいんですよ、幼くなるから……」
「幼くないですよ」
「幼いんだってば! この子供顔、コンプレックスなんだから!」
言い終わるや否や、あたしの身体は課長の腕の中に包まれた。
硫黄やシャンプーにも負けない、課長独特の匂いが強まる。
「ちょ……」
顎を手でくいと上げられ、課長の顔が下がってきた。
唇が重なり、角度を変えて何度も口づけられる。
「んん(課長)っ!!」

