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いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon

彼は頭をがしがしと掻きながら、あたしと目線が同じになるように覆い被さってくる。
「どの口が言ってるのかな」
朱羽は指であたしの唇を挟んだ。
「俺がいつも、必死に我慢してるの……、俺の触ったことがある陽菜は、わかるだろう?」
ショーツの上に固いものが宛がわれた。
「こんなになってるのに、あなたを抱きたくないと思っていると思う?」
「じゃあ……」
「言っただろう? あなたと約束した日まで、我慢させて」
辛そうな顔をしながら、朱羽は笑う。
「それじゃなくても俺は、あなたに触りすぎている。節操がないほどに。だからせめて……、最後の一線は……約束を守らせて欲しい」
「……っ」
「約束を破る男じゃないということを信じて欲しい。……雰囲気に流される、あなたの身体目当ての男だとは、思って欲しくないから。俺、あなたとはセフレにはなりたくない」
切なそうな顔をして、こんなに質量があるのに我慢して、セフレが嫌なら、ねぇ……そんなに誠実さを見せて、あなたはあたしになにを望んでいるの?
……それは、あたしと同じ?
だけどね――、
「大事にしてくれてありがとう。でもあたしも朱羽も切ないなら、お互いに慰め合いたい。これは……あたしがそうしたい。朱羽の……凄く好きだから」
きっと、あなたとあたしは繋がることがない。
繋がりたいと思ってくれただけでも、あたしは嬉しいから。
あたしは下着をずらし、朱羽の下着もずらした。
「朱羽ので、あたしを愛して?」
ならばせめて、疑似だけでも。
「こんなこと……あたし言う女じゃない。お願い、恥ずかしくてたまらないのよ、こんなこと言うの。だから……」
愛おしいあなたと、繋がることの次に深い触れあいを。

