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いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon

「それは……、あなたが俺に言いたいっていう話のこと?」
だけどそんなことは許されるはずなく。
「それは、結城さんも知っている……っていう話?」
聡明な朱羽は、ひとり勝手に核心へと近づいていく。
「そう……ぁああああっ」
ああ、イキそう。もう少し、もう少し――。
「あのさ、陽菜」
朱羽があたしの動きを身体で押さえる。
あたしの秘部から愛おしい朱羽のがなくなってしまった。
「なんで結城さんならあなたを嫌わないのに、俺は嫌うと思ってるんだ? なにそれ、結城さんは俺より特別だとかそういう類いを言いたいのか?」
顔を両手で挟まれる。
「そんなの認めないよ。……話してみろよ、今ここで。あなたの秘密を」
「……っ」
「明日それを聞いた俺があなたを嫌うのが間違いないからと、だから触れあうのは今夜が最後だと、そんな一方的な理由で俺を求めるくらいなら、今ここで言え。言って、俺は離れないと安心してから俺を求めろよ!」
「……無理」
「あなたは俺のなにを見てきた? 俺、あなたが打ち明けてくれた話で嫌うような男に思えるのか!? 俺、結城さんほどの器も信用もない!?」
「そういう意味じゃなくて……この話は、特殊だから……」
辛い、辛い。
あたしは課長を怒らせたいわけじゃないのに。
「特殊でも結城さんはあなたの傍にいるだろ。なんで、結城さんが出来ることが俺には出来ないと思う? 俺、そんな軽いちっぽけな男か!?」
あたしは、課長に離れて欲しくないと思っているのに。
そんな怖く凄惨な顔で、責め立てないで。
「嫌わないで欲しいから、言うのが辛いんじゃない!」
もう我慢できなくなって、あたしは顔に両手を覆って泣いた。
「ずっと傍に居て欲しいから、あなたに惹かれているから! 話したくないことを話して、あたしのすべてをわかって貰いたいに決まってるじゃない! どうでもいいちっぽけな男なら、隠すわよ!!」
逆ギレだということはわかっている。
朱羽はあたしの顔から両手を外し、涙が流れている部分を舌で掬うようにして拭った。

