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いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon
 
「行く」


 今まで踏み込んだことのなかった実家へ。

 満月と闘ってみようか。


 そう、素直に思える力を、朱羽から貰ったから。


「ありがとう……。聞いてくれて、嫌わないでくれて……本当にありがとう」

「俺は、あなたを嫌っていなくならないって、信じられる?」

「……うん」

「すっきりした顔をしている。……さっきよりも可愛い」

「……っ」


 どうしてこのひとは、さらっと……。


「それでさ……」


 ちょっと照れたように朱羽は言う。

「俺に嫌われたくない、惹かれているって……愛の告白みたいなものと、そう、受け取っていい?」

「……っ」

「前は、俺のことは好きじゃないってはっきり言われたけど、それは変わってきてるって、信じていい?」

 不安そうな顔に、あたしは頷いた。

 あたしは彼が好きだと、素直にそう思うから。

 開こうとしたあたしの口を、手で押さえた朱羽の顔が赤く染まっている。

「ごめん、自分から言い出してなんだけど、この手のことは金曜にしよう。俺今余裕ないし、我慢していたこと口走りそうだから。もう少し経てば金曜日だから」

「いや、でも多分あたしがそんな余裕ない……」

 朱羽の唇があたしの唇を奪った。


「ブルームーンから始めよう、陽菜」

「……っ」


 その意味は……恋人に、ということ?

 あたしと同じ想いと考えていいの?


「だから今夜は、……真似をしよう?」

「真似?」

「そう。恋人の」

 朱羽が口にしたはっきりとした単語に、鼓動がとくとくと早まったのと同時に、また唇を奪われる。

 好きだと自覚したキスは、さらに気持ちよくて、溺れそうになる。


 ブルームーンで、朱羽に言おう。

 感謝と感動だけに終わらない、胸に溢れるこの熱い想いを。

 
 抱きしめあい、肌をまさぐりあいながら、舌を絡ませる。

 たまらなく朱羽の熱を感じたい。

 この熱を独り占めしたい。

 好きだと――こんなに胸に溢れているのに、好きと言えないのは、辛いものだね。言いたくてたまらなくなるね。

 好きの言葉の代わりに朱羽にくっついて、キスをして。

 仮初めの恋人の真似として、あなたを好きでたまらない顔を見せて上げる。どうかこの想い……届きますよう。ブルームーンに繋がりますよう。

 
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