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いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon
 

 時刻は十一時過ぎ。

 あたしと朱羽は、枕元にある艶めくオレンジの照明の中、隣に並ぶ布団の上に座っている。

 この部屋の天井の照明はなぜかつかない。

 ここは特別室だから電灯の点検も万全だろう。だったら故意的でなければ消灯したままにはならない。

 きっと、矢島社長の計らいだ。


 朱羽は胡座をかきながら、髪をがしがしと掻いた。

 まるで初夜を迎えるかのように、緊張感が漂う。


「俺、あっちで寝……」

「やだ」

「じゃあ、もっと離して……」

「やだってば。駄目!」


 立ち上がった朱羽が布団を動かそうとしたから、あたしは朱羽の腕を掴んで、首を横に振った。


「このままで一緒に寝よ?」

「……っ、だけど」

「寝よ?」

「………」

「……。わかった。いやなら、あたしが向こうに……」


 あたしが立ち上がって布団を運ぼうとしたら、今度はあたしの腕を朱羽が掴んだ。


「そのままでいい。……一緒に寝よう」

 不承不承というように。

「できるだけ……我慢するから」

「なにか言った?」

「なにも。さあ寝るよ。電気消すから」


 布団に入ったら、朱羽が電気を消し部屋が真っ暗になった。

 お互い隣の布団に入りながら、なにも喋らない。

 その沈黙に、やけに緊張して。


「………」

「………」


 手、握ってくれないかな。

 抱きしめてくれないかな。

 触ってくれないかな。


 そんな貪欲なまでの欲望に、ひとりで身体を熱くする。


「………」

「………」


 ちょっと手を伸ばしてみようかな。

 寝返りを打つふりをして抱きつこうかな。


「………」

「………」


 なにもしてくれないことに苛立って仕方がない。

 本当に寝るつもりなんだろうか。

 え、さっきのお風呂場でもう終わり!?

 それに比べてあたしは、まだまだ朱羽とくっつき足りない。

 夜は長いんだ。いやらしいことをしなくてもいいけど、朱羽とどこか繋がっていたい。朱羽が傍から居なくならないように……。
 
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