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いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon
 

「………」

「………」

「朱羽、寝た?」


 朱羽から返事はない。

 なんだ、寝ちゃったのか。

 そう思ったら、残念感と緊張の疲れが襲ってくる。

 つまらないから、独りごちた。


「ああ、何回も抜いちゃったから疲れたのか。若いっていいね。九年前も最初は暴発ばかりしてたけど、最後はあたしを連続でイカせるくらい凄かったものね。今でも元気だよ、抜いても抜いてもはち切れんばかりって奴だし、凄いなあ」

 その時、ぴくりと朱羽の手が動いた気がしたが、気のせいだったらしい。
 
 あたしは無性に、自分のいやらしさを懺悔したくなった。

「朱羽あたしね……、また朱羽にえっちなことをされるの期待しちゃったの。ごめんね……。いつもこんなにえっちじゃないのに、朱羽だと違うみたい。今でも、寝ている朱羽に身体が疼くの。触って貰いたくて」

 またぴくりと手が動いた気がした。が、それで終わり。きっと夢の中の反応なのだろう。

「ねぇ、朱羽。あたしね、浴衣の下……こうしてきたの」

 朱羽の手を掴んで、襟の中に入れた途端。

 ばっとオレンジ色の灯がつき、朱羽が叫んだ。

「なんで、下着をつけてないんだよ!?」

「お、起きてたの!?」

 すると朱羽は布団を剥いで起き上がったようで、上擦った声で怒った。

「寝れるわけないだろう!? 俺だって男なんだよ!! それじゃなくてもあなたと少し近づけたかもと嬉しくて舞い上がって、あなたに無理をさせるほど、あなたの身体を愛しすぎたから、今夜はもう調子に乗らないで冷静になろうとしていたのに、あなたはなにを言ってなにをやってるんだよ!? 寝れないのは俺だけでいいから、あなたはさっさと寝ろよ!!」

「朱羽、そんなに怒らないでよ……」

 振り返ると、朱羽の目があたしのはだけた襟元に注がれる。

 下着をつけていない乳房が見えそうだ。

「ああ、くそっ!!」

 朱羽が、睨み付けるように天井を仰ぎ見た。
 
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