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いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon
じぃっと熱い目で見つめられ、恥ずかしくて目を閉じると朱羽が言う。
「駄目。最後まで目をちゃんと開いて、俺を見て」
「……っ」
「それとも、俺とキスするの嫌? だったら……」
「嫌じゃない。朱羽とキスしたい。したいの」
肘をついた手で朱羽の頭に添える。
そして目を開けたまま、朱羽の唇に顔を寄せる。
ああ、朱羽の長い睫が近づいてくる――。
そっと、軽く唇が触れる。
「ぅ…ん……」
それだけで息をこぼすあたしは、熱を帯びた朱羽の瞳に射竦まれたように、身体をぶるりと震わせた。
まるでその目が、あたしの深い弱いところを突き刺すような刺激で愛撫しているような……そんな錯覚に、身体が疼いてたまらない。
何度か触れるだけの軽いキスをして、朱羽の瞳の愛撫に身体を濡らすあたしは、おずおずと舌を伸ばして朱羽の唇を舐めた。
朱羽の目が切なげに細められ、短いけれど悩ましい声が聞こえ、もう我慢出来なくなったあたしは朱羽の頭を抱えるようにして、舌を深く差し込んでいく。
「しゅ……ぅんっ、んんっ、は……んっ」
仕掛けているのに、気持ちよくてたまらない。
舌を絡めるだけで秘部を疼かせるあたしは、無意識に尻を上げて振っている。太股からたらりと蜜が零れたのがわかる。
どういうおねだりが朱羽を動かすのか、どうすれば朱羽がその気になってくれるのかわからない。あたしにそんな経験値あるように思うんだろうか。
キスだけでこんなになっちゃうあたしに、朱羽の意志で触って貰えるためにはどうすればいいんだろう。
もうこうなったら、恥ずかしいけど捨て身だ。あたしだってキスだけで火がついちゃったんだもの。このまま終わりは嫌だ。
おねだり……。
朱羽の手を取り、あたしの襟の内側に滑り込ませ、乳房に朱羽の手のひらをあてた。朱羽の切れ長の目が苦しげに細められたのを見て、彼の手の上から強く揉み込み、あたしは朱羽に喘いで見せた。
「ねぇ、朱羽……触って? こうやって強く愛して?」
乱れたあたしの浴衣は肩甲骨あたりまで襟が落ち、あたしの片方の乳房に宛がわれた朱羽の手とあたしの手が、もぞもぞ動いてなにか卑猥で全身が熱い。