この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon
 

 急に視界はほんのりとオレンジがかった暗闇に覆われ、さらに朱羽が身体を引いたために、あたしの身体が感じる朱羽の存在が消失する。

 あたしは布団の上に膝立ちになった状態のまま、消えてしまった朱羽の温もりを探すように手を宙に彷徨わせて、朱羽を呼んだ。

「朱羽? ねぇ、いる?」

 返事がない。

「ねぇ、朱羽、返事をして?」

 静まりかえった部屋の中、見えないという状況があたしを不安にさせる。

 真っ暗な寝室で目覚めた時のような、無重力の中に浮いているかのような不安定な精神状態。

 まるで朱羽と睦み合っていることが、……満月のことを受け入れてくれたこと自体が、あたしの欲求が見せた都合よい幻であったかのような、そんな非現実的な感覚――。

「朱羽! 朱羽が元から居ないようで怖い。ねぇ、返事を……」

「いるよ」

 朱羽の声の響きを、いつも以上に耳が聞き取った。

「あなたの前に。おっと……駄目。触らないで、そのままで俺を感じて?」

 少しだけ上擦っているような彼の声音、囁くような甘やかな声。彼の呼吸が時折乱れていることも、今のあたしの耳は感じ取れ、朱羽が息づいていることをよく感じ取った。

「ねぇ、この目隠し取ってよ」

「駄目。取ったらお仕置きにならない」

「でも……」

「ねぇ、知ってる? 人間は普通、視覚に80%も頼って生活しているんだって。視覚を遮ってしまうと、それまで20%しか使っていなかった他の感覚が目覚めて、敏感になる。ねぇ、あなたの耳は今、いつも以上によく聞こえない?」

「うん、よく聞こえるけど……」

 朱羽がふっと笑っているような音が聞こえた。

「今ね、俺……あなたの身体を見てる。凄く艶めかしいよ、はだけた浴衣からあなたの生まれたままの姿がある」

「……っ!!!」

 見られていると思うと、肌がちりちりと焼けるようだ。
 
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ