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第7章 Waning moon

　

「は、ぁっ、朱羽、ねぇ、焦らさないで、朱羽っ」

「認める？　いやらしいのはあなただって」

「認める。認めるから！」

「あなたは満月関係なくいやらしいよ。だけどいやらしいのは、俺の前だけにしてね」

　指が中心に近づいていく。

「うん、うん。朱羽だけ！」

　もう、少し。あと少し。

「ブルームーンになったら、俺なしじゃ駄目になるほど、もっとあなたをいやらしくするから。覚悟しておいて」

「うん、うん？　……ひゃあっ」

　なにか物騒なことを言われた気がしたけれど、指で触られていない方の胸の蕾に刺激が走る。感じるのは指の感触ではなく、少しひやっとする唾液だった。

「ぅんんんっ、美味しいよ、あなたのは」

　朱羽の口に含まれている右乳房の頂きに全神経が集中する。

　柔らかな唇に強く摘ままれるような感覚と、朱羽の声と唾液の音に、あたしの身体は快感に波打つ。

　気持ちいいなどと考える余裕なく、びりびりと痛みのように襲う鋭い刺激。

「ぁあああっ、駄目駄目っ」


　ころころと小刻みに揺らされたのは、恐らくは丸められた朱羽の舌。

　唾液をたっぷりとつけて転がされた蕾は、強くひっぱるように朱羽の唇が吸い付けては啄む。

　欲しかったところだけにピンポイントで刺激がくるから、突き抜けるような快感が凄まじい。

　朱羽の口淫に翻弄され、びくっびくっと身体を震わすあたしは、上体を揺らしながら、叫ぶような嬌声を上げ続ける。

　そちらの乳房ばかりに意識がいっていると、乳輪をなぞられていた反対の蕾がびんっと指で弾かれた。

「はぅっ、んんっ、あぁぁんっ、ふぁぁあああっ」

　さらに指で摘ままれ強く捏ねられ、たまらず身体を反らすようにして長く啼き、軽く果ててしまった。

「凄いね。胸だけでイッちゃったんだ？」

　恥ずかしくてたまらない。過度にじんじんする蕾が恨めしいくらいだ。

　衣擦れの音がすると同時に、臍あたりにぴちゃりと舌で舐められているのを感じた。

「ぁあああっ、なにこれ、ぅ……んっ」

　両手が動くけれど解けない。

　朱羽の舌があたしの身体を縦横無尽に緩やかに動き、肌の深層にある細胞ごと打ち震える。ざわざわとぞわぞわがひっきりなしにあたしを襲い、おかしくなりそうだ。