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いじっぱりなシークレットムーン
第8章 Blue Moon

ゲーム……。
よくわからないけれど、なにかその単語にひっかかった。うちにテレビゲームはあったけれど、なにかそれではないような気がしたのだ。直感というものだ。
もしかしてあの後、全員で家に帰り、家でテレビゲーム以外のゲームをして、そして事故に遭ったのだろうか。
待って。
でもあの時、守は後から来ると、妹はバイトだと、あたしはそう言っていた。あのふたりが家に居るはずがないのに。
だったら、ふたりが一緒に帰ってきたの?
それをあたしが見つけて怒ったとか?
ふたりは知らぬ仲でもないし、千紗も守に懐いていたのを知っていたし、あたしそこまで偏狭ではない。
家側にあたしが居て、ふたりがあの三叉路に出たのだとしたら、絵面を考えたらあたしから逃げたように思えるんだ。
その状況で結城達も家から飛び出してきたっておかしくない?
そこまであたしは、派手な大喧嘩でもしていたというのか。
なにを怒っていたの?
あたしの満月の発作は、ふたりの事故を目撃していただけが引き金じゃない。それと関連して、もっとあたしの内面に関わるなにかが、あったように思う。
きっとそれは、結城が知っている気がする。
あの頃の結城があたしを庇う義理はない。今もあたしに言えないなにかを引き摺っているというのなら、どちらもそれが原因の気がするのだ。
勿論それは確証があるわけではない。
ないけれど、直感だ。
「その後、彼女を犯人だと言った彼らは?」
「ああ、すぐに彼らは精神をおかしくして、急になにかに怯えるようになり、それでお前と同じく学校を辞めたんだ。彼らの行方はわからない。どこかの精神病院に隔離されていると聞いたことはあるが、定かではない」
「………」
「それと、倉橋の親が暴力団関係者だと、鹿沼、お前知っていたか?」
ヤクザ!?
「え? 知らない、知りません」
「お前、倉橋の家に行ったことがあったか」
「いいえ……」
専ら、うちに来ていたのだ。
「そうか。まあだからか、倉橋は素行が悪かった。熊谷もキレると厄介な事件を繰り返しているし、五人の仲間もそんな感じだ。類友って奴だな」
結城……。

