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いじっぱりなシークレットムーン
第8章 Blue Moon
 

「でも俺は、正直お前と倉橋が付き合っていたようには思えなかった。というか、お前と倉橋はまるでタイプが真逆だからな。接点がどこにあったのかまるでわからなかった。どちらがアプローチしたんだ?」

「え?」

 アプローチ……。

 まるでわからない。どうやって出会ったとか、どちらが告白したかとか、初体験だけではなく、細かいことが突き詰めるとよくわからない。

「俺が知ったのは事故の後、熊谷の証言からだ。他五人はお前達が付き合っているかどうかはよくわからないと言っていたらしいぞ」

「え!? あたしと守が付き合ってなかったら、なんで彼らがうちに来るんですか。来る理由がわからない」

 そう、理由が――。

 ……千紗?

「まさかと思うが、お前倉橋に騙されていたとか脅されていたとかはないだろうな」

「そ、そんな……」

 あたしはずっと守が彼氏だと思ってきた。

 でも彼氏じゃなかったのなら、守は一体あたしのなに!?

「まあでも倉橋が死んでしまったのだから、今更言っても仕方がないかもしれないな。すまんな、変なこと言って」

 教頭はそう悲しげに笑って、話を続けた。

「……それでも、お前と倉橋が付き合っていて、その痴話げんかの末にお前が突き飛ばして死なせたんじゃないかという嫌疑がかかって時点で、倉橋の親が黙っちゃいなかった。倉橋の親は仲間と一緒に随分とお前の家に詰めかけて嫌がらせをしたと聞く。お前の母親は美容院を経営し、お前の親父さんは公務員だっただろう? ふたりの仕事場にも行って騒いだとか聞いたぞ。かなりノイローゼになられていたとか」

「そ、そんな……」

 あたしが東京に逃げている間に、そんな――。

「それで耐えられず、鹿沼さんのご両親が自殺し、鹿沼さんが"東京に行くことになった"んですね」

 ゆっくりと断定していく、朱羽の声。

「え? 違うよ、あたし自殺は知らない……」

 朱羽はレンズ越しの目を細め、怜悧な光を宿して言う。

「いいえ、知っているはずだ。あなたが大学時代の生活費に補填していたその預金通帳は、恐らくご両親の死亡保険金やら土地の売却代らあなたが相続すべきものから、諸々の諸経費を取り除いた分だから」
 
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