この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第8章 Blue Moon
 

 ~Eri Side~


 雅さん。

 孤独な檻を壊して、私を空の下に連れ出してくれたのは、あなたなの。

 家のために好きでもない男と見合いをさせられた私を、あなたは助け出してくれた。

 あの時、一緒に逃げてくれた。

 私、知ってたよ。

 私の育った家に、私がどうしているか、お父様とお母様に報告していたでしょう。そして説得してくれたのよね、私は道具ではないと。

――衣里。お前は喋るのが好きなんだな。

 寡黙こそが婦女の嗜(たしな)みだと教育されて育った私は、あなたの前ではよく喋ってよく笑って。

 それはあなたの前だから。


 あなたがいなければ、私……生きている理由がない。

 ねぇ、私を見てよ。

 女として感じてよ。


 陽菜にお願いして、ひとりだけで看病させて貰った時。

 私、雅さんに告白したの。

 好きだって。だからお嫁さんにして欲しいって。

 だけど拒まれた。

 笑って、誤魔化されて。

 だから私、その場で服を脱いだ。

 今まで一度だって私に触れてくれなかったのは、私が女ではないと……そう思っていたから、だったら触れて私が女だって確認してくれればいいと。

 裸で、雅さんのベッドに入ったの。

 雅さんの手をあたしの胸に触らせたの。

 私の処女を貰って欲しいと、お願いしたの。


 ……そんなことを言うのは、生まれて初めてで。

 だけど……雅さんは私に欲情してくれなかった。

 悲しそうな顔をして私の頭を撫でるだけ。


 私は、子供だと思われたまま。


 悔しくて悲しくて、雅さんの病衣を剥いで。雅さんの上に跨がって、雅さんの身体に舌を這わせて、何度も好きだと愛しているんだと訴えた。

 初めて見る男のものが恥ずかしかったけれど、ふにゃふにゃしているそれの側面を口に含んだ。やめさせられても、何度も何度も愛おしんだ。

 ……だけど、なにをしても、ぴくりとも変化がなかった。

 あたしのやり方が悪いのだとやり直したけれど、それでも。

 
 私は泣いた。

 こんなに好きなのに、どうして彼から女として見られないんだろう。

 
 陽菜が羨ましくてたまらない。

 きっと陽菜なら、雅さんに愛されるだろう。
 
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ