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いじっぱりなシークレットムーン
第8章 Blue Moon
 


「はぁぁぁぁ……」



 あたし達がソファで力尽きていた時、宮坂専務と沙紀さんが入ってきた。

 ふたりとも紺色のスーツ姿だ。


「悪い、会議が長引いて……って、なんだ、なんで全員死んでるんだ?」

「専務、お願いですから縁起でもないこと言わないで下さい」

 あたしはお茶碗にお茶を淹れて、まずは専務と沙紀さんに渡す。それから朱羽、結城、衣里、木島くんへと渡していく。

「なにか、あったのか?」

 固い声になった専務に、朱羽が言う。

「心肺停止し電気ショックでも効果無く、皆の声で戻ってきてくれました」

「で、電気ショック!?」

「はい」

 専務の動揺と、朱羽の落ち着いた声が対照的で面白いほどだ。

「で、今は!?」

「数値が安定したから、人工呼吸器はやめて、普通の酸素呼吸器に戻りました。峠は越えたようです」

 宮坂専務が、お茶を持ったまま器用にその場で崩れ落ちる。

「渉!?」

「はぁ……。よかった、マジでよかった」

 少しばかり涙声のまま顔を片手で押さえていたが、すぐに茶を一気に飲み干すと、早歩きで沙紀さんと共に社長に会いに行く。

 ……専務の泣き声が聞こえた気がしたけれど、誰もが聞かないふりをしてお茶を啜った。


「しかし、結城さん。親父ってなんっすか?」

 木島くんが呑気に結城に聞いた。

「ああ、俺の親なんだ。社長」

 ひとり用のソファに座っている結城も、仰け反ったまま呑気に答えた。

「へぇ、そうなん……って、えええええ!?」

 木島くんがあたし達を見たけれど、木島くん以外は全員知っている。


「言うなよ、木島」

 結城が仰け反ったままの体勢で、言う。

「は、はい。だけど……結城さん御曹司だったんっすか」

「よせって。そういうのが嫌だから、皆に黙ってろよ」

 木島くんは目をぐるぐる回してしゅうしゅう息を漏らしている。

 ……木島くんはお笑い芸人を地で行ける気がする。
 
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