この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第8章 Blue Moon
 

「しかし、落ち着いてよかったすね~」

「木島くん、帰っていいよ。ここは人数いるから」

「駄目っす! 俺も秘密共有者なんっす! ここに居ます! お茶くみ洗濯マッサージ、得意っす!!」

「お~、じゃあマッサージしてくれ」

「了解っす!」

 結城と木島くんが仲良くじゃれ合っている間、あたしは衣里に声をかけた。


「社長は大丈夫だよ、だから衣里もしっかり」

「……うん」

「信じるんだよ、あたしも信じてるから。社長は逝かないって。あたし達の社長は無敵なんだから!」

「はは……、そうだね。無敵だ……」

「でしょ!? ……木島くん、しゅうしゅううるさいよ、なに結城に発情しているの!」

 大丈夫。

「発情!? お前……」

「違うっす! 主任が変なことを……結城さん、揉ませて下さいよ」

「うわっ、キモッ! どこ揉む気だよ、お前」

「肩に決まってるじゃないっすか! 逃げないで下さいよ、結城さん!」


 直接ではなく人を介せば、いつものように結城と接することが出来る。

 ……笑っていられる。


 大丈夫。


 そう思ってたのに。


「鹿沼、ちょっと話そう」


 タイミングを推し量っていたのだろうか。

 唐突に結城は、ふたりきりになろうと客間を指さす。

 身構えていなかったあたしの唇が震える。


 結城とふたりきり……。

 いつも簡単に出来ていたのに、セックスまでしたのに、椅子から立ち上がれない。


「頼むから」


 弱々しい声が聞こえる。

 泣き出しそうな表情で、結城があたしを見ていた。

 唇が震えているのは……あたしと一緒だ。


「……鹿沼さん、行きましょう」


 朱羽の手があたしの腰にかかる。

 その手の温かさと朱羽の匂いに、弱いあたしは、このまま朱羽の腕の中に飛び込みたいと思った。

 朱羽があたしの耳に囁いた。


「結城さんが大切なんでしょう? 結城さんに長く傍にいて貰いたいなら、これを乗り越えないと駄目だ。あなたも結城さんも」

「………」

「今の結城さんを信じて」

「……。わかった。朱羽……、あたしひとりで行けるから」


 心配そうな衣里と木島くんの視線を感じながら、あたしは結城の後ろについて、客間に行った。

/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ