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いじっぱりなシークレットムーン
第8章 Blue Moon
 


 ああ――。

 服を捲られ、多くの淫猥な手が触手のようにあたしの身体を襲う。

 恐怖の中で、あたしは自分の身より……千紗を守ろうとした。誰がなんと言おうが、千紗はあたしの可愛い妹だからと。

 千紗はきっと望んであんなことをしていない。その上に彼らまで相手をさせられるかと。

――あたしは黙っているから、千紗から手を引かせて。

 あたしは結城を睨んで、目を瞑った。


「声を殺して、本気にヤられようとするお前を諦めさせようと、俺は千紗の部屋のドアを蹴破った」


 驚いてこちらを見る三人。

 泣いて震えるあたしの手は三人に伸び、途中で止まる。


 助けを求めたら、千紗が、千紗が。


「千紗が、そんなお前を見て言った」


 どくんどくんと心臓が脈動する。


「"いい気味。やっちゃってよ、性処理道具にしていいから"」


 あたしの目から涙が零れた。

 部屋に運ばれ、もみくちゃにされるあたし。

 父親は顔を背け、妹は笑い、彼氏はただ見ながら服を着ている。

 助けがないその絶望の中、あたしはただ千紗に叫んだ。

――逃げて、千紗! 早く!!

――まだ気づかないの、私は好きでヤッているの。あんたの父親とあんたの彼氏と!! 楽しんでいるのよ、邪魔するな!

――じゃあなんで泣いてるのよ、嫌だったんでしょう、だから早く逃げて……。

――ふざんけんな!! 早くその女を犯してよ、そしたら後は私が相手をしてあげるから。

――千紗、逃げ……。

――まだ言うか!


 あたしの口、秘部、尻、あらゆるところに男達の欲の象徴が宛がわれる。

 そんな時、動いたのは――。


――陽菜からどきなさい!

――お父さん……。

――初めてなんだろう? だったらお父さんが奪ってやるからな。
 
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