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いじっぱりなシークレットムーン
第8章 Blue Moon
実の父親が、娘の処女を奪おうとして、あたしはこれ以上ないというほどの恐怖の悲鳴をあげる。
挿入される猛々しいもの、千紗の泣き笑い。
――痛い、痛い、お父さん!!
泣き叫ぶあたしを救ってくれたのは、
「結城が、結城が助けてくれたじゃない……っ」
結城で。
結城がお父さんの腹を殴って怒鳴った。
「だけど……、僅かの差で、俺は間に合わなかった」
「言ってくれたじゃない」
――子供は親を選べられないんだ!! どんなクズな親でも!! なんで最後で踏みとどまれないんだよ、なんで最後までするんだよ、親だろうが!!
結城の背中の後ろで、あたしは散った鮮血を見て、処女を喪失したのを知った。
それでもあたしは、身繕いをしてあたしは。
泣いた顔で笑いを作り、心配していると思い千紗に言ったんだ。
――千紗。あたしは大丈夫だよ。
すると千紗が怖い顔をして、守の頭を引き寄せて深いキスをした。
――ごめんね、お姉ちゃん。私、彼が好きなんだ。ねぇ、守は?
泣き続ける千紗に魅入られたように、守が言う。
――ごめん、俺……千紗が好きなんだ。
満月の発作の時、ちらちらと入る会話。
――そっか。合意だったら、仕方がないね。
――どうして怒らないのよ!!
千紗が背中を向けるあたしに怒鳴る。
――私はあんたの父親と彼氏を寝取ったんだよ!? なんでなんで……っ。
あたしは言った。
――だけど。千紗が好きでし始めたことじゃないんでしょう? 千紗はそんな悪い子じゃないのは、あたしがよく知っているから。
あたしは、守よりも千紗の方が大事だった。
そうだあの時あたしは、守に愛情がないことを思い知った。
――この偽善者!! だから私は……っ。
千紗が走り出したのだ。
千紗を追いかけるために守が走り、そしてあたしも走る。
――待って!!