この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第8章 Blue Moon
 

「俺はさ、お前の信じる永遠というものを壊したくてたまらなかった。永遠を信じていなかったはずなのに、壊したいと望んだことは……、永遠のものがあるということを認めていたことにもなる。お前の信じた永遠を俺は壊したけれど、だけどお前の中に……それでも千紗を守ろうとする強いものがあった。それを見せつけられて俺は目覚めたんだ」

 結城の目から涙がこぼれ落ちる。


「永遠はあるものではなく、自分が作り出すものだって。それをしようとしないで、ないものだとハナから決めかかっていた俺に、永遠なんてあるはずがない」

「……っ」

「香月に聞かれたんだ。俺がお前との関係を友達で甘んじていたのはなぜかと」

 結城は泣きながら笑う。

「俺も作りたかったんだ。お前との永遠。俺が欲しいものをお前なら持って居る気がした。――高校の時から」

 あたしの目からも涙がこぼれ落ちた。

「大学でお前の姿はいつも目に入れていた。だけど再会は偶然で、俺のことを思い切り忘れられていたことが悲しかった。だけど、違う俺なりに償いたいと思っていたら、お前の満月のことを知った。満月で苦しんでいたなんて、俺はそれまで知らなくて。お前を助けに行った時、俺は……あの時の千紗や、俺のせいでお前がされていたことを思い出して、あの時のことはまだ終わっていないということを知った。いくら催眠で忘れさせても、歪みが出ていた」

「結城……」

「俺が……忘れさせてやりたいと思ったよ。だけどその俺が元凶だ。だからどうしていいかわからない。でもお前が俺のもとで笑ってくれるのなら、あの時のことを思い出さないで、結城睦月という男を信じてくれるのなら、それがずっとつづく今の関係もいいと思った。恋愛感情もあるけれど、友情も確かにあるから。お前と俺は、永遠に一緒に居れると。居たいと」

「……っ」

「すべて俺が悪かったんだ。あいつらが事故ったのも。お前の親が自殺したのも。全部……俺が……」

 頭を下げる結城にあたしは抱きついた。


「腹立たしいね、本当にむかつく」

「鹿沼……」

「だけど、結城の苦悩を知らなかったあたしがもっとむかつくわ」


 結城の背に震える両手を巻き付かせた。
 
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ